高殺菌レートを有する紫外線(UV-C)での食品パッケージの表面殺菌

細菌、酵母、真菌などの有害な微生物は、食品包装前に完全に除去しなければなりません。短波長紫外線(UV-C)による殺菌は、化学薬品を使用せずに、菌を99.9%死滅(対数減少値log 3)させる乾式方法です。

高殺菌レートを有する紫外線(UV-C)での食品パッケージの表面殺菌

高強度の紫外線をほんの数秒照射するだけで、食品容器の表面や、その蓋のフィルム箔に付着している細菌、酵母、真菌などの食品を害する細菌を無害化します。

さらに紫外線耐性のあるカビ菌を効率的に不活化するには、低濃度の過酸化水素(1%〜3%)で消毒した後、紫外線(UV-C)照射することが推奨されています。

この組み合わせは、2つのメカニズムを利用しています。紫外線照射は、枯草菌の胞子などの過酸化水素に対する感受性が低い微生物を不活性化します。過酸化水素は、アスペルギルスニジェール胞子などの不活性化するのに高い紫外線照射量を必要とする微生物を破壊します。

これにより、効率的で幅広い殺菌効果と、最大99.99%の細菌負荷の低減が達成され、要求される細菌活性 log 4「99.99%以上滅菌」の細菌減少率が得られます。

つまり、保存期間を延長し、フードロスを減らすことができます。

紫外線(UV-C)を用いるメリット

  • プロセス面
    • 乾式および低温による抗菌処理
    • エネルギー効率が良い
    • 化学薬品不使用
    • 包装材への熱影響が少ない
    • 充填機や封かん機へのインライン化
    • UVC照射により、ペースト状や液体食品の低温充填時における衛生状態が改善
  • 装置面
    • Makrolon®(ポリカーボネート)板などによる紫外線の簡易な遮光板が可能
    • 破損検知器による安全性の確立
    • コンパクトな設計により改造や後付けが容易
    • 長寿命

紫外線(UV-C)の食品パッケージでの用途

紫外線は、食品パッケージ材とその表面を殺菌します。

  • オーガニック食品の容器
  • 低温のペースト状や液体の生鮮品(ヨーグルト、牛乳)の容器
  • 容器の蓋や包装材フィルム
  • 粉ミルクの缶や袋
  • 冷たいマスタード、ケチャップ、マヨネーズ、その他の調味料、ドレッシング、ディップソースなどの充填用の容器や小袋のフィルム材
  • バッグ
  • チルド製品(牛乳やヨーグルト)のゲーブルトップ紙容器
  • 瓶やボトル密閉キャップ
  • 肉、魚、果物、野菜の加工および包装用のコンベヤーベルト
  • 果物、野菜、ハードチーズなどの食品の表面
新鮮な牛乳のゲーブルトップ紙容器の紫外線および過酸化水素による殺菌
新鮮な牛乳のゲーブルトップ紙容器の紫外線および過酸化水素による殺菌